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会社における書類保管の流れは?保管上の注意点についても解説

会社で書類保管するときのポイントは、分類と保管場所です。また、書類によっては法律で定められた期間に基づいて保管すべきものもあるため、必ず確認してください。同時に地震や火災などの対策も考えます。

さらに、紙の書類はカビや経年劣化によって破損、汚損するリスクを持っています。ですから、保管する場所は風通しがよく湿度の低い場所にすべきです。

保管期間を過ぎた書類はシュレッダーか溶解処理で処分します。

今回の記事で解説しているのは、書類を保管するときの流れと法律によって保管期間が定められた書類についてです。また、保管するときの注意点や外部での管理についてもふれています。

 

書類を保管するときの流れ

書類を保管するときは、次の流れでおこなってください。

  1. 書類を分類する
  2. 書類をファイルやフォルダにとじる
  3. 保管場所を明確に決める
  4. 書類ファイル(フォルダ)をまとめる

 

書類を分類する

書類は主に6つのカテゴリーで分類できます。

  1. 書類の保管期間
  2. 書類の種類
  3. 取引先
  4. 年度
  5. 月別
  6. 50音順

分類した書類は発行日や受領日の順番で整理しておくと、より探しやすくなります。

既存の書類は保管期間を確認して、期間を過ぎている場合は廃棄してください。廃棄する方法は後述します。とくに保管期間の定めのない書類は、確認を取ったうえで適切に処理してください。

 

書類をファイルやフォルダにとじる

分類した書類はファイルやフォルダにとじます。このとき、内容を一目で把握できるようにしておくべきです。

例えばファイル(フォルダ)を色分けしたり背面にラベルを貼ったりすると、視認性がアップして目的の書類を探す手間が省けます。

保管場所を明確に決める

書類を保管する場所は2つのポイントを満たしているところにしてください。

  • 直射日光が当たらない
  • 温度と湿度の変化が少ない

紙の書類は日光の紫外線や湿度、温度によって劣化します。ですから、書類が劣化しにくくなる場所を選ぶべきです。

書類ファイル(フォルダ)をまとめる

書類をまとめたファイル(フォルダ)は、必ずまとめて保管してください。同時に書類の紛失や散逸を防ぐ方法も考えます。

例えば、書類を持ち出すときは名札を置いたりスタンプを押したりするようにすれば、誰が書類を持ち出したのかを把握できます。

 

保管期間が定められた書類もある

書類のなかには保管期間が定められたものがあり、これらを紛失すると会社の信用にかかわり業務に支障が出ます。書類を分類するときは、保管期間を確認しながら作業を進めてください。

書類を保管すべき期間は、大まかに3つに分かれます。

● 永久保管
● 5~10年
● 1~5年

 

また、法律によって保管期間が異なることに注意してください。下記の表は目安です。

書類のカテゴリー 保管期間
総務 2~5年
経理 7年
会社法 10年

 

ただし、法律によって保管期間の起算日は異なります。書類を廃棄するときには、起算日を確認してください。

 

永久保管すべき書類

永久保管すべき書類は、会社や事業の存続にかかわるものです。主に次の8つの書類が該当します。

  1. 定款
  2. 株主名簿
  3. 官公庁への提出書類
  4. 知的所有権に関する書類
  5. 登記や訴訟に関する書類
  6. 社旗や社則に関する書類
  7. 重要人物に関する書類
  8. 従業員の社会保険に関する書類

会社のなかには独自に永久保管すべき書類を定めているところもあります。書類を分類するときは、事前に確認を取ってください。

 

5~10年保管すべき書類

法律に基づいて5〜10年保管すべき書類のなかから7つを挙げました。

  1. 株主総会議事録
  2. 取締役会議事録
  3. 委員会議事録
  4. 決算に関する書類
  5. 取引帳簿
  6. 監査報告書
  7. 従業員の身元保証書

 

1~5年保管すべき書類

1〜5年のあいだ保管すべき書類としてあげられるのは人事、庶務、経理などに関するものです。該当するものから7つをピックアップしました。

  1. 臨時報告書
  2. 健康保険、厚生年金保険に関する書類
  3. 労働者名簿
  4. 賃金台帳
  5. 退職などに関する通知書
  6. 事業報告書
  7. 監査報告書

 

書類保管における注意点

書類保管における主な注意点は4つです。

  • 法律で保管が義務づけられている書類を確認する
  • 情報漏えいリスクを低減する
  • 災害対策
  • 湿気対策

 

法律で保管が義務づけられている書類を確認する

法律で保管が義務づけられている書類を確認してください。保管期間もしくは法律ごとにExcelにまとめて管理したりチェックリストを作成したり、書類管理システムの導入も検討できます。

情報漏えいリスクを低減する

個人情報や契約書などの重要な書類が流出すると、損害賠償を請求されることもあり徹底した管理が必要です。

  • 重要書類が入った棚には鍵を付ける
  • 人の出入りの多いところを避けて保管する

こうした対策のほか、書類を閲覧できる人を制限するのも有効な手段です。

災害対策

書類を災害から守ることも考えてください。例えば地震への備えとして、強度の高いボックスでファイルを保管したり棚が倒れないように固定したりという対策が取れます。

また、火災で書類が消失することを防ぐために、火気の近くで保管しないようにすることも大切です。

湿気対策

湿気はカビの原因であり、書類を傷めます。ですから風通しがよく、湿度の低いところで書類を保管してください。書類を保管するときは、紙や木製のファイルもしくはボックスが適しています。

日ごろから多用されているクリアファイルは、密閉性が高くカビが発生することもあり長期間の書類保管には不向きです。

 

保管期間を過ぎた書類の扱い

保管期間を過ぎた書類は処分しますが、そのまま廃棄してはいけません。重要な情報を含む書類もあるため、2つの方法で処理します。

  • シュレッダー
  • 溶解

 

シュレッダー

シュレッダーはもっとも手軽な処分法です。ただし、書類をシュレッダーにかけるときはステープラーやクリップなどを外さなければなりません。そのため、自社での処理は書類が少ないときに適しています。

大量の書類をシュレッダーにかけるときは、業者へ依頼してください。

溶解

溶解とは、紙を水で溶解して破砕する方法です。大量の書類を廃棄するときや機密情報の漏えいリスクを低減したいときは溶解処理がおすすめできます。

ただし、業者によってサービスやクオリティーに差があります。依頼するときは複数から比較して納得できるところへ依頼してください。

 

外部で書類を管理する方法もある

自社で書類を管理する手間を省きたいときは、外部での管理も視野に入れてください。

  • トランクルーム
  • クラウドサービス
  • 文書保管専門業者

 

トランクルーム

トランクルームを書類管理のために使うときは、サービスの内容をしっかり確認すべきです。

トランクルームはあくまで収納スペースを貸し出しているに過ぎず、物品の管理や預けたものを配送するなどのサービスは扱っていません。

トランクルームには屋内型と屋外型の2つがありますが、書類管理に適しているのは屋内型です。

 

クラウドサービス

電子データでの保管が認められている書類であれば、クラウドサービスでの管理が可能です。書類をデジタル化できれば欲しい情報をすぐに検索して取り出せるうえ、管理にかかる手間やコストをカットできます。

ただし、利用にあたっては書類が電子帳簿保存法とe-文書法の要件を満たしていることが条件です。また、事前に操作方法を全体で共有して社員が違和感なくサービスを利用できるようにする配慮も求められます。

 

文書保管専門業者

文書保管専門業者は、文書の保管に特化したサービスを提供しています。

具体的なサービスは企業やプランにより異なりますが、基本は書類の保管に特化した内容です。温度や湿度といった保管環境やセキュリティ面、取り寄せ時の手続きも書類向けになっているため、書類保管を外部委託するのに最適だといえます。

 

まとめ

紙の書類を保管するときにまずおこなうべきは、書類の分類です。分類した書類は色分けやラベリングしたファイルもしくはフォルダにとじてください。保管する場所を明確にして、1箇所にまとめておくのもポイントです。

書類を分類するときは、法律によって定められた保管期間を確認します。期間の目安としては会社法に関する書類は10年、経理は7年、総務は2年です。

また、書類管理にあたっては災害や湿気への対策を採ってください。情報漏えいを防ぐために、金庫や鍵のかかるキャビネットなどに保管して容易に取り出せないようにすべきです。

自社で書類を管理するときはこれらの内容を踏まえておこないます。こうした手間やコストをできる限り省きたいというときは、トランクルームやクラウドサービスなど外部での管理も視野に入れてください。

 

 

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